ネームをつくる人たちのこと。
WEFT のネームの Role(DAY/HOME)やサイズ表記の印付けは、就労支援事業所(B型)の方々の手で刺繍されています。
毎日肌に触れる一枚に、誰の手が関わっているのかをきちんとお伝えしたい。
そう考えて、このページを用意しました。
派手な物語にするつもりはありません。事実と、私たちの姿勢を、淡々と共有します。
なぜ就労支援事業所に依頼したのですか?
「みんなで支え合う」という福祉の意義に、ささやかでも参加したかったからです。
マイノリティにある人々も含め、市民一人ひとりが排除や摩擦、孤独や孤立から救われ、社会の一員として受けとめられること。どんな生きづらさを抱えていても、みんなで支え合うこと。それが福祉の意義だと、私たちは考えています。
WEFT は小さなブランドです。できることは限られています。それでも、毎日身につける一枚をつくる立場として、関わり方を選ぶことはできます。誰に、どこで、どのように仕立ててもらうのか。その選択そのものが、ブランドの姿勢になると思っています。
ネームへの刺繍による印付けという、ささやかな工程ではあります。ただ、ささやかだからこそ、続けられる。微力でも、続けることで、何かに繋がる可能性を信じたい。そういう気持ちで、就労支援事業所(B型)に依頼しました。
日本の衣料品は、どれくらい国産なのですか?
日本国内で流通する衣料品のうち、国産はわずか1.5%前後です。
1990年代までは、国産比率は50%を超えていました。その後の生産拠点の海外移転と価格競争の中で、国内縫製業は急速に縮小しました。現在、私たちが手にする衣料品の98%以上は海外で縫われたものです[1]。
縮小の背景には、いくつもの構造的な要因があります。
- 慢性的な人手不足(縫製業従事者の高齢化と後継者難)
- 海外との価格競争による工賃の低下
- 技術継承の機会の減少
- 「服は安く買えるもの」という社会全体の認識
中でも、人手不足の影響は深刻です。熟練した縫製職人が引退しても、新しい担い手が入ってこない。工場が一つ閉まると、その地域の技術が一つ消える。そういう現実が、地方を中心に静かに進行しています。
WEFT が国内の縫製パートナーで一着ずつ仕立てているのは、こうした流れに対するささやかな選択です。そして、ネームへの刺繍による印付けを就労支援事業所に依頼している背景にも、同じ問題意識があります。
就労支援B型とは何ですか?
心身に事情を抱える方々が、自分のペースで「働く場」に参加できる福祉制度です。
就労継続支援B型は、一般の企業で長時間働くことが難しい方々に、働く場と工賃が支払われる仕事を提供する制度です。対象となるのは、たとえば次のような方々です。
| 対象 | 内容 |
|---|---|
| 心身にハンディキャップのある方 | 障害者手帳の有無を問わず、一定の事情がある方 |
| 難病を抱えている方 | 体調の波があり、就労時間に制約がある方 |
| 外国にルーツを持つ方 | 言語・文化的背景により就労機会が限られる方 |
| その他、生きづらさを抱えた方 | 上記以外でも、支援を必要とする方 |
B型事業所の特徴は、雇用契約を結ばずに、自分の体調や生活リズムに合わせて作業に参加できる点にあります。一般就労に向けた訓練の場であると同時に、社会との接点を保ちつづける場でもあります。
縫製や手仕事は、こうした事業所で取り組まれている作業の一つです。集中力を要する作業ですが、自分のペースで進められる工程も多く、職人的な技術が育つ可能性のある領域でもあります。施設で働く方々がいずれ縫製業に就労移行していくとすれば、それは縮小しつづける国内産業を担い直す力にもなり得ます。
私たちが依頼している事業所と、そこで働く方々のお名前は、ご本人と事業所の意向を尊重して非公開とさせていただいています。本ページに掲載している写真は、撮影と公開について事前に許諾をいただいたものです。
WEFT のネームの印付けは、どこで作られていますか?
日本国内の就労支援事業所(B型)で、一枚ずつ手作業で刺繍されています。
WEFT が依頼しているのは、ネームの Role(DAY/HOME)やサイズ表記の刺繍による印付け工程です。ZQメリノ100%・繊維径17.5μmのウルトラファインメリノで仕立てた本体に縫い付けられたネームに、「DAY」「HOME」やサイズ表記の印を、一つひとつ刺繍で入れていただいています。
「DAY」と「HOME」は、Lot 20s の Role コンセプトです。朝から夜までの一日を預けられる一枚、家にいる時間も含めて長く付き合える一枚、という意味を込めて、二種類の印を用意しています。その小さな印を、一枚ずつ、手で刺繍。
来年以降の Lot 2027 でも、同じ協業を継続する予定です。WEFT は商品の型を変えない年次ロット制で運用しているブランドなので、ネームの仕様や印付けの工程も大きく変えません。だからこそ、関わり方そのものも、安定して続けていける設計になっています。
WEFT のブランド哲学に「服を終わりにしない」という考えがあります。消耗品として扱われてきた Tシャツの寿命を、素材・製法・思想の三方向から伸ばす試みです。誰がつくるかという問いも、その延長線上にあります。長く着られる一枚を、長く続く関係性の中でつくる。それが、私たちの考える「終わりにしない」のもう一つの側面です。
[1] 経済産業省「繊維産業の現状と課題」(年次レポート)。最新版は経済産業省サイト内「繊維産業」項目を参照。 ↩
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